ウサギとカメの名レース、数時間前のことです。
「乾ぱーい!」
「さぁさぁもう一杯」
と、カメがウサギに飲み物をふるまっていました。
「このすっぽんドリンクを飲むと、精力がつき、速く走れますよ」
「残念ながら私が飲むと、共食いになってしまうので・・・」
とカメは言いました。
人柄の良いウサギは、カメを疑うことはありません。
グビグビっーと、飲んでしまいました。
そして数時間後、あのレースが始まりました。
ウサギは最初から、軽快に飛ばしていきます。
天才的な脚力に加え、努力を怠らないウサギ。
あんなにトレーニングしたので、当然の結果です。
それに対し、カメはゆっくりゆっくり。
まったく練習していないので、こんなもんです。
カメは絶対に勝てる作戦があったので、
練習する必要はないと考えていたのです。
レースも終盤。ゴールはもう目前です。
ウサギが、体調の異変に気付きました。
「おかしい」
「以上に眠い・・・」
とうとうウサギは、その場に寝てしまいました。
「やっと薬が効いてきたか」とカメ。
「意外としぶといウサギめ。」
「もう少しでゴールするところだった。」
「あぶないあぶない」
そうです。カメがウサギのドリンクに、睡眠薬を仕込んでいたのです。
ぐっすり寝ているウサギの横を、カメが追い越していきました。
そしてゴーーーーール!
こうしてカメは、ウサギに勝ったのでした。
しかし、不審に思ったウサギの要望で、レースは審議となりました。
ドリンクを検査した結果、薬が検出され、カメは失格になりました。
ズルして勝ってもだめですよー